安全な避難経路の決め方|子ども・高齢者と歩いて確かめる5つの手順

子どもと高齢者を含む家族が、地図を見ながら避難経路を歩いて確認する様子 避難計画・家族の連絡

このページは災害速報や現在進行中の避難情報を扱いません。災害時は、気象庁やお住まいの自治体などの公式情報を確認してください。

冒頭の要点

  • 避難経路は、先に「どの災害から、どこへ避難するか」を決めてから選びます。
  • 最短の道だけでなく、浸水・土砂災害等のリスク、高低差、段差、家族の歩きやすさを確認します。
  • 平時に家族と歩き、通れない場合に備えた別の経路も一つ用意します。

今日やること

お住まいの自治体のハザードマップを開き、家族に関係する災害を一つ選びます。自宅から、その災害に対応する避難先まで候補の線を一本引きましょう。今日は入口まで歩くだけでも十分です。

この記事で分かること

避難先は決めたのに、どの道を通るかまでは決めていない。そんな家庭は、まず一つの災害・一つの出発地点に絞ると始めやすくなります。

この記事では、地図と現地の両方を使い、家族に合った候補経路を一枚にまとめる手順を紹介します。

まず、災害と避難先を組み合わせる

「近所の学校へ行く」とだけ決めるのは十分ではありません。指定緊急避難場所は災害の種類ごとに確認が必要です。同じ施設でも、洪水、津波、土砂災害など、想定する災害によって使えるとは限りません。

自治体のハザードマップで、自宅・学校・園・勤務先に関係する災害と、その災害に対応する避難先を確認します。自宅にとどまる選択肢を含め、避難先の考え方は地域や住まいの状況で変わります。

家族に合う避難経路を決める5つの手順

1. 出発地点を一つ選ぶ

最初は自宅から始めます。一度に学校・園・勤務先まで作ろうとせず、一経路ずつ確かめましょう。

2. 地図で経路上のリスクを見る

ハザードマップで、候補経路が浸水想定区域、土砂災害警戒区域、津波浸水想定などを通らないか、凡例と想定条件を見て確認します。地理院地図では、経路の自然災害リスクや高低差も調べられます。

地図に表示がないことは、安全の保証ではありません。データの時点や対象災害を確認し、不明点は自治体へ問い合わせます。

3. 家族と明るい時間に歩く

地図で候補を作ったら、普段使う靴と、無理のない範囲の荷物で歩きます。乳幼児とはベビーカーを使う場合・使わない場合、高齢者とは普段の補助具を使う場合など、実際の移動に近づけます。

途中で次を見ます。

  • □ 狭い道、急な坂、階段、段差、側溝
  • □ 川・水路、崖、アンダーパス、橋など、災害に応じて注意する場所
  • □ 倒れたり落下したりした物で通りにくくなりそうな場所
  • □ 夜間に暗い場所、見通しの悪い交差点
  • □ 休める場所、助けを求められる公共施設
  • □ 避難先の入口と、開設情報を確認する方法

設備や建物の安全性は見た目だけで断定できません。「通れないかもしれない場所」としてメモし、自治体の防災担当や道路管理者等の公式情報も確認します。

4. 所要時間と必要な支援を記録する

所要時間は、子どもの歩幅、抱っこ、車いす、休憩などで変わります。一律の時間を当てはめず、家族で歩いた時間と条件を記録します。

移動に支援が必要な家族がいる場合は、段差・スロープ、付き添う人、連絡先、必要な補助具なども書きます。市町村の個別避難計画の対象や支援制度については、自治体の福祉・防災窓口へ相談してください。

5. 代替経路を一つ決める

災害時は、損傷や浸水、通行規制などで予定の道を通れないことがあります。違う危険区域を通るだけの迂回になっていないか確かめ、第二候補を一つ用意します。

ただし、実際に危険が迫っているとき、予定した経路に固執して無理に移動してはいけません。自治体等の最新情報と周囲の状況を確認し、より安全な行動を取ります。

一枚の経路メモにする

記録すること わが家の内容
想定する災害 例:洪水
出発地点 自宅、学校、勤務先など
避難先と対象災害 自治体の正式名称も記録
第一経路 通る道路・目印
注意箇所 坂、段差、水路など
家族で歩いた時間・条件 抱っこ、車いす、荷物等
代替経路 第一経路と異なる道
公式情報の確認先 自治体サイト、連絡先
確認日 年月日

住所、家族の連絡先、支援に関する情報を含むメモは、公開SNSなどへ載せず、家族内で安全に管理します。

地域・家族に合わせて調整するポイント

  • 学校・園:災害時の待機、引渡し、保護者が迎えに行く条件を施設の公式ルールで確認します。
  • 乳幼児:抱っこひもとベビーカーでは通りやすい道が違います。保護者の荷物も含めて試します。
  • 高齢者・障害のある人:段差、勾配、休憩、情報取得、付き添いの条件を本人と確認し、必要なら自治体へ相談します。
  • 集合住宅:玄関から屋外へ出るまでの共用部や非常口も確認します。設備の使用可否は管理者の案内に従います。
  • ペット:同行避難の方法と受入条件を自治体・避難先に確認し、経路上の負担も試します。

注意すること

  • 「最短」「大通り」「いつもの道」という理由だけで安全とは決められません。
  • ハザードマップは対象災害、凡例、想定条件、作成時点を確認します。
  • 私有地を無断で経路にせず、平時に通行できる道を選びます。
  • 危険が迫る中で経路確認や訓練をしないでください。
  • 道路、擁壁、橋、建物などの個別の安全判定はせず、管理者や自治体等へ確認します。

公的情報の確認先

よくある質問(FAQ)

Q1. 一番近い避難所への道を選べばよいですか?

距離だけでは決められません。先に災害の種類と、それに対応する避難先を確認し、経路上のリスクや家族の移動条件も見ます。

Q2. 地図で安全そうなら、歩いて確認しなくてもよいですか?

地図では段差、道幅、工事、夜間の見え方などを把握しきれません。危険のない平時に、無理のない範囲で家族と歩いて確認します。

Q3. 経路は何本必要ですか?

まず第一候補と、通れない場合の第二候補を一つずつ作ると実行しやすくなります。本数を増やすより、災害別のリスクと家族の歩きやすさを確認できていることが大切です。

まとめ

  • 災害と、それに対応する避難先を決めてから経路を選びます。
  • 地図でリスクを見た後、家族の実際の条件で歩きます。
  • 注意箇所、所要時間、支援、代替経路、確認日を一枚に残します。

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出典

  • 国土交通省・国土地理院:ハザードマップポータルサイト https://disaportal.gsi.go.jp/ (参照日:2026-09-11)
  • 国土地理院:避難場所の確認と経路を調べる https://maps.gsi.go.jp/help/intro/school/hinankeiro.html (参照日:2026-09-11)
  • 総務省消防庁:防災危機管理eカレッジ「1.避難」 https://www.fdma.go.jp/relocation/e-college/cat65/cat64/cat34/1-20.html (参照日:2026-09-11)
  • 内閣府(防災担当):地区防災計画モデル地区の取組 https://www.bousai.go.jp/kyoiku/chikubousai/chikubo/chikubo/pdf/06_017_04.pdf (参照日:2026-09-11)
  • 内閣府(防災担当):個別避難計画の作成に取り組むみなさまへ https://www.bousai.go.jp/taisaku/hisaisyagyousei/pdf/241128_hinan.pdf (参照日:2026-09-11)
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