非常持ち出し袋の作り方—一次持ち出し品を家族別に選び、定期点検する

水やライト、衣類などを家族で非常持ち出し袋へ入れる様子 備蓄・非常持ち出し袋

このページは災害速報や現在進行中の避難情報を扱いません。災害時は、気象庁やお住まいの自治体などの公式情報を確認してください。身の安全を優先し、袋を取りに危険な場所へ戻らないでください。

冒頭の要点

  • 非常持ち出し袋は、避難するときに必要な物を持つための袋です。自宅で生活を続けるための家庭備蓄とは分けて考えます。
  • 一般的な品を詰めた後、薬や眼鏡、乳幼児用品など「その人がないと困る物」を家族ごとに足します。
  • 入れすぎを避け、使う本人が背負って動けるか確認します。期限や季節、家族の状況が変わったときにも見直します。

今日やること

家にあるリュックを一つ出してください。紙に家族の名前を書き、その下へ「薬・眼鏡・補聴器・乳幼児用品など、本人がないと困る物」を一つずつ書きます。まずは5~15分で、買わずにできるところから始めましょう。

この記事で分かること

市販の防災セットをそのまま買うのではなく、家族に必要な物を選び、実際に持ち出せる袋へ調整する手順が分かります。

本人の必需品、基本品、自宅備蓄に分けて持ち出し品を整理する家族

すべてを袋へ入れず、本人に欠かせない物と避難直後に使う物から選びます。

まず確認すること

持ち出し袋と家庭備蓄は役割が違います

非常持ち出し袋は、自宅から避難するときに持つ物です。家庭備蓄は、自宅で生活を続ける場合などに使う水・食料・生活用品です。自宅の備蓄すべてを袋へ詰める必要はありません。

お住まいの自治体の防災ページで、避難所の持参品案内も確認しましょう。避難所の設備や受入れ条件、ペットへの対応などは、自治体や避難所によって異なります。

準備・行動の手順

1. 家族ごとの「ないと困る物」を先に書く

まず、一般的な防災用品より先に、家族ごとの必需品を確認します。

  • 普段使う薬、処方内容やアレルギー情報の控え
  • 眼鏡、補聴器、入れ歯、予備電源など
  • 乳幼児のミルク、哺乳瓶、離乳食、紙おむつなど
  • 生理用品、妊産婦が普段必要とする物
  • ペットのフード、水、薬、キャリーなど

薬の種類、用意する日数、保管方法には個人差があります。自己判断で処方を変えず、平時に医師や薬剤師へ相談してください。

2. 基本品を候補から選ぶ

消防庁や内閣府の例を参考に、家族の状況に必要な物を選びます。

  • 飲料水と、そのまま食べやすい食品
  • ライト、携帯ラジオ、予備電池、携帯電話の充電手段
  • 救急用品、マスク、ウェットティッシュ、携帯トイレなど
  • 動きやすい衣類、下着、雨具、防寒用品、タオル
  • 厚手の手袋、ヘルメットまたは防災ずきん
  • 現金や本人確認・医療情報など、必要な情報の控え
  • 筆記用具

これは候補です。全家庭がすべて同じ物を入れる必要はありません。刃物や火気を含む用品は、持ち運びや使用の安全、避難先のルールを確認してください。

3. 袋に入れ、本人が背負って確かめる

両手を使えるリュックなどにまとめます。使う予定の本人が背負い、立つ・歩く・階段を使うなど、普段の範囲で無理がないか確認してください。重い、動きにくいと感じたら、中身を次の順で見直します。

  1. 本人がないと困る物
  2. 情報・照明・衛生など、避難直後に使う物
  3. 自治体が持参を案内している物
  4. 自宅備蓄へ回せる物、用途が重なる物

安全に持てる量は、年齢や体格だけでなく、体調、障害、妊娠、避難経路によっても変わります。この記事では一律の重さを基準にしません。

家族それぞれが非常持ち出し袋を背負い、無理なく動けるか確認する様子

重さの感じ方は人それぞれです。実際に持つ人が背負い、動ける内容へ調整します。

4. 取り出しやすく、危険を増やしにくい場所へ置く

消防庁は、持ち出しやすい場所に置くよう案内しています。ただし、玄関だけがすべての家に適するとは限りません。浸水、火災、家具の転倒、住居の出入口などを踏まえ、家族が場所を知り、無理なく取れる所を決めます。

袋へ家族名を付け、ライトや薬など、すぐ使う物の位置も共有しておくと確認しやすくなります。

5. 期限・作動・家族の変化を点検する

全国共通の固定点検間隔は確認できませんでした。カレンダーに一律の頻度だけを置くのではなく、次の機会に確認します。

  • 食品、飲料、薬、衛生用品などの期限が来る前
  • ライト、ラジオ、充電器、予備電池が作動するか確認するとき
  • 季節や衣類のサイズが変わるとき
  • 薬、補助具、家族構成、ペット、通園・通学などが変わったとき
  • 自治体の防災情報や避難所案内が更新されたとき

点検日と交換した物をメモすると、次の確認がしやすくなります。

地域・家族に合わせて調整するポイント

  • 自治体:防災マップ、避難所の開設・持参品案内、ペット同行避難の説明を確認します。
  • 乳幼児:普段使っている授乳・離乳食・おむつ用品を基準にします。アレルギーにも注意します。
  • 高齢者・障害のある人:補聴器、入れ歯、予備電源、コミュニケーション支援用品、移動補助用品を本人や支援者と確認します。
  • 妊産婦・持病のある人:必要品と医療情報の控えを用意し、薬や健康上の個別判断は医療専門職へ相談します。
  • ペット:必要品に加え、自治体と避難所の受入れ条件を確認します。
  • 住居・季節:戸建て・集合住宅、浸水リスク、暑さ・寒さ、雨、移動方法に合わせて調整します。

注意すること

  • 袋を用意しても、安全が保証されるわけではありません。避難先・経路・連絡方法も別に決めます。
  • 危険が迫っているとき、袋を取りに危険な場所へ戻らないでください。公式の避難情報と周囲の状況を確認し、命を守る行動を優先します。
  • 「防災セット」という商品名だけで選ばず、家族に必要な物が入っているか確認します。
  • 通帳、本人確認書類、医療情報等の保管では、紛失や個人情報のリスクも考えます。原本・コピー・番号メモの扱いは家庭で決めてください。

公的情報の確認先

  • 全国共通で確認する公的機関:総務省消防庁「非常用持出品チェックシート」、内閣府「特集3 地震に備える」
  • お住まいの自治体で確認する項目:地域の災害リスク、避難所の持参品・設備・開設条件、ペット対応、要配慮者への支援
  • 情報確認時の注意:対象地域、想定する災害、公開・更新日を確認します。

よくある質問(FAQ)

Q1. 市販の防災セットを買えば完成ですか?

市販品は基本品を集めるきっかけになりますが、それだけで全員に十分とは限りません。薬、眼鏡、乳幼児用品など、家族固有の物を足し、本人が背負えるか確認してください。

Q2. 点検は何か月ごとですか?

全国一律の間隔は確認できません。各用品の期限前、電池や機器の作動確認、衣替え、薬や家族状況の変化、自治体情報の更新を点検の機会にしてください。

Q3. 家族全員分を一つの袋にまとめてもよいですか?

家族の人数や移動方法によります。一人だけに重さが集中しないか、別行動になったときに本人の必需品が手元にあるかを考え、実際に持つ人ごとに調整してください。

まとめ

  • 持ち出し袋と自宅備蓄を分け、家族固有の必需品から選びます。
  • 基本品を加えたら、本人が背負って動ける内容へ減らします。
  • 期限・作動・季節・家族事情・自治体情報の変化に合わせて点検します。

関連記事

出典

  • 総務省消防庁
  • ページ名:非常用持出品チェックシート
  • URL:https://www.fdma.go.jp/relocation/bousai_manual/too/pdf/mocidashi.pdf
  • 公開・更新日:ページ上で確認できず
  • 参照日:2026年9月8日
  • 支える主張:基本品の例、持ち出しやすい場所への保管
  • 内閣府政策統括官(防災担当)
  • ページ名:特集3 地震に備える
  • URL:https://www.bousai.go.jp/kohou/kouhoubousai/h28/83/special_03.html
  • 公開・更新日:平成28年度広報誌「ぼうさい」第83号(個別更新日なし)
  • 参照日:2026年9月8日
  • 支える主張:持ち出し袋の役割、家族構成に合わせること、基本品・置き場所の例、家庭備蓄との区別
  • 内閣府政策統括官(防災担当)
  • ページ名:特集 家族で防災
  • URL:https://www.bousai.go.jp/kohou/kouhoubousai/h23/66/special_01.html
  • 公開・更新日:平成23年度広報誌「ぼうさい」第66号(個別更新日なし)
  • 参照日:2026年9月8日
  • 支える主張:常備薬、入れ歯、補聴器等、家族固有の必要品を考えること
  • 内閣府政策統括官(防災担当)
  • ページ名:自然災害への備えは万全ですか?チェックしてみよう!
  • URL:https://www.bousai.go.jp/kyoiku/hokenkyousai/check.html
  • 公開・更新日:ページ上で確認できず(Copyright 2017の表示あり)
  • 参照日:2026年9月8日
  • 支える主張:基本品と乳幼児用品の例
  • 総務省消防庁
  • ページ名:消防団員手帳2025 第2章「そなえておこう!家族でチェック!日頃からの備え」
  • URL:https://www.fdma.go.jp/relocation/syobodan/item/upload/tetyou2025.pdf
  • 公開・更新日:2025年版
  • 参照日:2026年9月8日
  • 支える主張:持ち出し品と備蓄品の区別、基本品と乳幼児用品の例

この記事の確認情報

  • 公的情報の最終確認日:2026年9月8日
  • 著者・制作主体:暮らしの防災手帖 編集部
  • ファクトチェック:編集部内確認
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