このページは災害速報や現在進行中の避難情報を扱いません。災害時は、気象庁やお住まいの自治体などの公式情報を確認してください。
冒頭の要点
- 最初に、寝ている人に家具が倒れないか、玄関までの通路を家具や収納物がふさがないかを確認します。
- 配置と収納を見直したうえで、壁・天井・床、家具や家電に合う固定方法を選びます。
- 賃貸住宅や施工条件が分からない場合は、自己判断で穴を開けず、貸主・管理会社や専門業者に確認します。
今日やること
まず5~15分を目安に、寝室から玄関まで歩き、「倒れそう」「落ちそう」「動きそう」な家具や物を3つまでメモしましょう。これは編集部が提案する始め方で、3つ対策すれば十分という意味ではありません。
今日のゴールは、気になる場所と次の行動を一つ決めること。重い物を下ろしたり、大きな家具を動かしたりする作業は、無理に始めなくて大丈夫です。
この記事で分かること
家具固定というと、器具選びから始めたくなるかもしれません。しかし、住まいや家具によって適切な方法は異なります。この記事では、寝室と避難経路の確認、配置と収納の見直し、固定方法の確認という順番で進めます。
まず確認すること
点検するのは家具本体だけではありません。棚の上の物、引き出しや扉、ガラス、テレビや冷蔵庫、キャスター付き家具も対象です。
家の間取りを簡単に描くか、室内の写真を見ながら、次を確認してください。
- 家具が倒れたとき、寝る場所や普段座る場所に届きそうか
- 家具や引き出しが動いたとき、部屋のドアや玄関までの通路をふさぎそうか
- 高い場所から重い物や割れ物が落ちそうか
- 家具や家電の固定が緩んだり、外れたりしていないか
準備・行動の手順
1. 寝室と長く過ごす場所を優先する
内閣府は、寝る場所や座る場所には、なるべく家具類を置かないことを案内しています。移動できない家具は、倒れる向きに人がいないかを確認します。ベッド、布団、子どもの遊び場、介護用ベッドなど、家族が無防備になりやすい場所から点検しましょう。
完了の目安は、家具や上に置いた物が人へ直撃する可能性のある位置を洗い出し、配置変更または固定確認の予定を決めることです。
2. 出入口と避難経路を空ける
家具等の転倒・移動や収納物の飛び出しは、ドアや通路をふさぐ原因になり得ます。寝室から廊下、玄関まで実際に歩いて確認します。家具の本体だけでなく、引き出しが開く方向、キャスター付き家具が動く方向、割れ物が散らばる範囲も考えます。
通路にある家具を移動できない場合は、向きを変える、扉や引き出しの開放防止を検討する、固定方法を専門家に相談するなど、できる対策を組み合わせます。
玄関までの通路を見直したら、非常持ち出し袋の置き場所と中身も、通行を妨げないか一緒に確認しましょう。
3. 配置と収納を見直す
重い家電は、できるだけ低い位置への配置を考えます。棚の上の物や割れ物も点検し、落下しそうな収納を見直しましょう。食器棚は本体の固定に加えて、扉の開放防止やガラスの飛散防止を確認します。
テレビなどは、載せている台との固定も点検対象です。製品に合う方法を取扱説明書で確認してください。
配置変更だけで危険を減らせる場合もあります。ただし、配置を変えれば固定が不要になるとは限りません。
4. 家具と住まいに合う固定方法を確認する
消防庁は、タンスや棚をL型金具などで壁の桟や柱に固定する例を示す一方、壁や家具の種類によって適した方法が異なると案内しています。内閣府の資料には、ポール式、ストッパー式、マット式、ベルト式なども紹介されています。
器具を選ぶ前に、次を確認してください。
- 家具・家電の取扱説明書やメーカーの固定方法
- 壁、天井、床の材質と下地の位置
- 器具の対象、耐荷重、使用期限、併用条件
- 賃貸借契約や集合住宅の管理規約
条件が分からない、重い家具を動かせない、壁内の配線や下地が不明な場合は、無理に施工せず、家具販売店、施工業者、貸主・管理会社などへ相談します。固定器具は転倒リスクを減らすためのもので、あらゆる揺れや設置条件で転倒を完全に防ぐ保証ではありません。
5. 点検記録を残す
対策した家具、器具の種類、取付日、次に確認する項目を記録します。家具を動かしたとき、引っ越したとき、器具の緩みや劣化に気づいたときは再点検します。器具に使用期限やメーカー指定の点検方法があれば、それに従ってください。
寝室から玄関までの点検チェックリスト
家族で点検するときの整理表です。気になる場所は写真やメモに残し、「自分で確認すること」と「相談すること」を分けます。
| 点検する場所 | 見るポイント・次の行動 |
|---|---|
| 寝床・普段の居場所 | 家具や上の物が倒れたり落ちたりしそうか。家具と寝床の位置関係を見直す |
| 部屋のドア・玄関まで | 家具本体、開いた扉や引き出しが通路をふさがないか。向きと配置を確認する |
| 棚・食器棚 | 本体の固定、収納物の飛び出し、ガラス部分をそれぞれ確認する |
| テレビ・台・キャスター家具 | 本体と台、台や家具の移動も点検する。説明書で対応する器具を調べる |
| すでに付けた器具 | 緩み・外れ・劣化を確認する。不明点はメーカーや施工業者へ相談する |
書き写して使える点検メモ
- 点検日/点検した人:
- 気になる場所・物:
- 倒れる・落ちる・動くことで困ること:
- 次にすること/相談先:
- 誰が・いつ確認するか:
地域・家族に合わせて調整するポイント
- 賃貸住宅:ネジや接着材の使用可否を、契約書と管理規約で確認し、必要に応じて貸主・管理会社へ事前に相談します。原状回復の扱いをこの記事だけで判断しないでください。
- 集合住宅:管理組合・管理会社の防災資料や施工ルールも確認します。キャスター付き家具や家電の移動、窓際から物が落下する可能性も点検します。
- 乳幼児や子どもがいる家庭:寝床と遊ぶ場所を優先します。器具の取り付け作業は子どもに任せず、製品の注意事項を確認します。
- 高齢者や障害のある人がいる家庭:寝床、普段の居場所、介助動線を優先します。家具移動や施工が難しい場合は家族や支援者、自治体へ相談します。
- 自治体の支援:器具の配布、取付支援、費用補助がある自治体もあります。対象世帯や申請期間は地域ごとに違うため、居住自治体の公式サイトで確認してください。
注意すること
- 家具を一人で無理に動かしたり、脚立上で無理な作業をしたりしないでください。
- 壁の下地、配線、配管が分からない状態で穴を開けないでください。
- 突っ張り棒や粘着マットなど、器具を置くだけでどの家具にも同じ効果があるとは限りません。説明書の対象と設置条件を確認します。
- 家具固定は建物自体の耐震診断や耐震改修の代わりではありません。住宅の安全性に不安がある場合は自治体の相談窓口や建築の専門家へ相談してください。
公的情報の確認先
- 全国共通:内閣府「特集3 地震に備える」で配置と器具の例を確認できます。
- 全国共通:総務省消防庁「地震防災マニュアル」で家具・家電対策の基本を確認できます。
- お住まいの自治体:家具転倒防止器具の取付支援・助成、相談窓口の有無を確認してください。
- 情報確認時の注意:制度の対象、申請期間、住居条件、ページの公開・更新日を確認します。
よくある質問(FAQ)
Q1. 壁に穴を開けられない賃貸住宅では、固定を諦めるしかありませんか
まず寝床と通路を避ける配置、低い位置への収納など、穴を開けない見直しから進められます。器具の使用可否や固定方法は、契約書・管理規約を確認し、貸主・管理会社へ相談してください。穴を開けない器具も、家具や天井などの条件によって適否が変わります。
Q2. 突っ張り棒だけで十分ですか
一律には判断できません。家具の形状、天井の強度、設置位置などで効果が変わります。製品の説明書と公的資料を確認し、必要な場合は複数の対策や専門家への相談を検討してください。
Q3. すべての家具を一度に対策できません
寝室、子どもや高齢者が長く過ごす場所、玄関までの避難経路から優先してください。今日の点検では気になる所を3点までメモし、無理なくできる見直しや相談から進めます。
まとめ
- 寝室と避難経路から、倒れる・落ちる・動く物を点検します。
- 配置と収納を見直し、家具・住居に合う方法で固定します。
- 賃貸や施工条件が不明な場合は自己判断せず、管理者や専門家、自治体へ確認します。
関連記事
- 家族で作る「わが家の避難計画」:室内の通路を確認したら、屋外の避難先と経路も家族で話し合いましょう。
- 非常持ち出し袋の作り方:避難の動線と一緒に、持ち出す物と置き場所を見直すときに。
出典
- 内閣府(防災担当)
- ページ名:特集3 地震に備える
- 公開・更新日:平成28年(2016年)広報誌第83号(詳細日付はページ上で確認不可)
- 参照日:2026-09-09
- 支える主張:寝る場所・座る場所、出入口・避難経路の配置見直し、固定器具と収納物対策の例
- 総務省消防庁
- ページ名:消防庁 地震防災マニュアル「11.家具・家電製品・家具の転倒を防止」
- 公開・更新日:ページ記載なし
- 参照日:2026-09-09
- 支える主張:家具等によるけが・経路閉塞、固定・扉・ガラス対策、住居に合う方法、自治体支援
- 独立行政法人国民生活センター
- ページ名:地震による転倒の防止策
- 公開・更新日:2018-06-07
- 参照日:2026-09-09
- 支える主張:固定器具の試験結果には条件があり、全条件へ一般化できないこと
- 独立行政法人国民生活センター
- ページ名:住み始める時から、「いつか出ていく時」に備えておこう!—賃貸住宅の「原状回復」トラブルにご注意—
- 公開・更新日:2023-02-01
- 参照日:2026-09-09
- 支える主張:賃貸契約と入居時状況の確認・記録が原状回復トラブル防止に重要
- 総務省消防庁
- ページ名:家具の配置を工夫する
- 公開・更新日:ページ記載なし
- 参照日:2026-09-09
- 支える主張:寝室・子ども・高齢者の部屋と出入口の配置、重い家電を低い位置に置く
- 総務省消防庁
- ページ名:家電などの転倒・落下防止
- 公開・更新日:ページ記載なし
- 参照日:2026-09-09
- 支える主張:テレビ等と台の固定、家具だけでなく家電も点検する
この記事の確認情報
- 公的情報の最終確認日:2026年9月9日
- 著者・制作主体:暮らしの防災手帖 編集部
- ファクトチェック:編集部内確認
- 制作・検証にAIを利用しています。住宅ごとの施工可否や安全性を判定する記事ではありません。

