このページは平時に確認しておく停電時の基本行動を扱います。現在の停電区域・復旧見込みは地域の一般送配電事業者の公式情報を確認してください。
冒頭の要点
- 停電中は冷蔵庫・冷凍庫の開閉を最小限にします。
- 電気が戻ったことと、中の食品を食べられることは別です。適正な保存温度を保てなかった要冷蔵・要冷凍食品は食べずに処分します。
- 損傷・浸水した家電をそのまま使わず、復旧後も外観や説明書を確認します。異常やエラーはメーカーへ相談します。
今日やること
冷蔵庫の型番と説明書を確認し、「停電したとき」「電源を入れ直すとき」のページを探しましょう。メーカーの相談先と、食品について相談できる自治体・保健所の窓口もメモしておきます。重い冷蔵庫を動かして型番やプラグを探す必要はありません。購入記録や手元の説明書を使って確認してください。
食品の保存状態と、家電を再開できる状態を、二段階で確認しましょう。復電だけで安全が戻ったとは判断しません。
この記事で分かること
冷蔵庫は扉を開ければ中を確認できますが、停電中の開閉は庫内の冷えを失う原因にもなります。何度も確認する前に、保存表示と説明書、相談先を平時に整理しておくと対応しやすくなります。
この記事は食品管理と家電の再開に絞っています。照明、公式情報、避難時の電源など停電全体の準備は、停電への備えと基本行動を先に確認してください。
平時に食品と説明書を確認する
冷蔵庫に入れる食品の保存方法を表示で確認します。要冷蔵・要冷凍の食品、常温保存できる食品を分けて把握しておきましょう。停電中に冷蔵食品を急いで全部食べる計画にせず、家庭備蓄の始め方を参考に、常温保存できる食品も備えます。
冷蔵庫の準備、保冷剤の扱い、電源の抜き差し、再開時の待ち時間や設定は機種によって異なります。自宅の取扱説明書を確認し、不明な点はメーカーへ問い合わせます。他社製品の手順や待ち時間をそのまま当てはめないでください。
停電中は扉の開閉を減らす
農林水産省は、電気が復旧するまで冷蔵庫の開閉を最小限にするよう案内しています。中の状態を確かめるために何度も扉を開けず、必要なものを取り出す場合も開ける時間を短くします。
停電を把握した時刻、長引いたかどうかなど、分かる情報をメモします。時刻が分からなければ「不明」と記録し、時間を推測して食品の安全を判断しないでください。庫内の確認のために避難や身の安全の確保を遅らせません。
復旧後は食品の保存状態を先に分けて考える
農林水産省は、冷蔵庫・冷凍庫が長時間止まると食品が傷んでいる可能性があると案内しています。要冷蔵・要冷凍の食品で、適正な保存温度を保てなかったものは食べずに処分します。完全に溶けた冷凍食品を、再び凍らせるのも避けてください。農林水産省の食品管理の案内で確認できます。
「電気が戻って冷えた」「見た目や臭いがいつもと同じ」だけで安全とは判断しません。味見して確かめたり、冷やし直しや加熱で安全になると考えたりしないでください。保存状態が分からない、傷みが疑われる場合は食べず、個別の状況は自治体・保健所の案内を確認します。
停電時間だけで判断しない
冷えを保てる時間は、気温、食品の量、扉の開閉、機種などで変わります。原資料の時間の目安も条件によって異なるため、この記事では「何時間以内なら必ず食べられる」という基準を設けません。
農林水産省は、傷みやすい肉・魚・惣菜などは同資料の低温保持の目安時間を超えたら廃棄するよう案内しています。ただし目安以内であっても食品の安全を保証するものではありません。適正な保存温度が保てなかった食品は食べない、という条件を合わせて確認してください。
浸水した、または浸水した可能性がある食品も、保存時間だけで判断できません。汚れた水が容器の隙間から入る場合があります。食品・容器の条件による処分の案内は農林水産省のページを確認し、個別に迷う場合は自治体・保健所へ相談します。
注意すること:家電を再開するときの確認手順
1. 損傷・浸水があれば、そのまま使わない
地震や水害で転倒、破損、浸水した家電は、復電してもそのまま使用しません。外から乾いて見えても、内部の水や泥、塩分などが原因で使用再開時に火災を起こすおそれがあります。メーカーや販売店へ相談し、点検・修理などの案内を受けます。
確認のために分解したり、試しに通電したりしないでください。傷んだ配線や濡れた分電盤・コンセントへ無理に触れず、安全な場所から相談します。
2. 被害を免れた機器も、周囲と外観を確認する
浸水などを免れた機器も、プラグやコードに傷・変形、焦げ、落下による破損がないか確認します。電気ストーブなどの電熱機器の周囲に、衣類や紙など燃えやすいものが接触していないかも見てください。
地震後の停電では、不意の作動や通電火災を防ぐため、身の安全を優先して、できる範囲で使用機器のスイッチを切り、プラグを抜きます。避難時のブレーカー操作も安全にできることが前提です。危険な場所へ戻って操作しません。NITEの地震発生時・復旧時の製品事故の注意で事前に確認しておきましょう。
3. 説明書に沿って一台ずつ確認する
損傷・浸水などの問題がなく、安全に再開できる状況で、機種の説明書に従って使用を再開します。NITEは、被害を免れた製品も外観を確認したうえで一台ずつ様子を確認しながら使用するよう案内しています。
エラー表示を無視して使い続けず、取扱説明書で内容を確認し、メーカーや販売店へ相談してください。異常を感じたら使用を止めます。外観の確認だけで全ての安全性を判定できるわけではありません。不明な状態の機器は使わずに相談します。
食品・家電の家庭メモ
この表は情報を整理するためのメモです。食品の食用可否や家電の安全性を診断する票ではありません。
| 分けて確認すること | 家庭の記入欄 |
|---|---|
| 冷蔵庫のメーカー・型番・説明書 | ____ |
| 停電・電源再開の説明書参照箇所 | ____ |
| 停電を把握した時刻・不明な情報 | ____ |
| 食品の保存表示・保存状態で不明な点 | ____ |
| 完全に溶けた冷凍食品などの有無 | ____ |
| 損傷・浸水・コードやプラグの異常 | ____ |
| エラーとメーカーへ質問すること | ____ |
| 食品の相談先(自治体・保健所) | ____ |
| 家電の相談先(メーカー・販売店) | ____ |
家族に合わせて調整するポイント
- 乳幼児、高齢者、持病のある家族の食事は、保存状態が不明なものを無理に使わず、必要な常温保存食品を平時に確認します。
- 保冷が必要な薬は、停電時の保管方法や使用できるかの確認先を薬局・医療機関へ事前に相談します。食品の一般的な目安を薬へ流用しません。
- 在宅医療機器の電源は個別計画に従います。家電の一律停止手順だけで操作を決めません。
- 集合住宅では設備の復旧状況が異なります。共用設備の確認は管理者へ、自宅機器の確認はメーカー等へ相談します。
公的情報の確認先
- 農林水産省:停電・浸水後の食品管理。
- 自治体・保健所:個別状況の食品や衛生上の相談。
- NITE:損傷・浸水した家電と通電火災の注意。
- 一般送配電事業者:現在の停電情報。機器の再開方法はメーカー・販売店へ。
よくある質問
停電が短ければ、冷蔵庫の食品を食べてもよいですか?
時間だけでは判断できません。保存温度、食品の種類、扉の開閉などで状態が変わります。適正な保存温度を保てなかった要冷蔵・要冷凍食品は食べずに処分し、不明な状態は安全とみなさず自治体・保健所へ確認してください。
冷蔵庫のプラグは抜いて、決まった時間後に差せばよいですか?
機種ごとの説明書を確認します。メーカー資料の待ち時間や操作をすべての機種へ当てはめません。損傷・浸水があれば通電せず、メーカー等へ点検を相談してください。
まとめ
- 平時に食品の保存表示、冷蔵庫の説明書、相談先を確認します。
- 停電中は開閉を減らし、保存温度を保てなかった食品は食べません。
- 復旧後の家電は損傷・浸水・周囲・説明書を確認し、不明や異常があれば使わずに相談します。
関連記事
- 停電への備えと基本行動:照明、情報、避難時の電源を含めて備える。
- 家庭備蓄の始め方:冷蔵庫が使えない状況も考えて食品を用意する。
出典
参照日はいずれも2026年10月10日です。
- 農林水産省「停電や断水、大雨による浸水に遭われた地域の皆様へ~食中毒に注意しましょう~」(作成2026年9月8日):開閉・食品の保存状態・処分・個別相談。https://www.maff.go.jp/j/fs/foodpois_flooding.html
- NITE「製品安全情報マガジン Vol.508 地震発生時や復旧時の製品事故」(2026年9月8日):損傷・浸水・再開前点検・エラーへの対応。https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/mailmagazin/2026fy/vol508_260908.html
- Panasonic「冷蔵庫の停電前の準備と停電時・停電復旧後の対処方法」(公開・更新日表示なし):メーカー資料に記載された条件付きの保冷や機種別再開の確認。補助情報であり、全機種への共通手順としては扱っていません。https://jpn.faq.panasonic.com/app/answers/detail/a_id/9886/
公開・更新情報
- 初回公開日:2026年10月15日。
- 公的情報の最終確認日:2026年10月10日
- 最終更新日:2026年10月15日(公開前再確認)。
- 制作主体:暮らしの防災手帖 編集部
- 広告・商品紹介:なし
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