持病・服薬がある人の防災準備|薬・お薬手帳・連絡先を家族で整える

家族で薬の情報と連絡先を確認する様子 備蓄・非常持ち出し袋

このページは災害速報や、いま起きている災害での個別の服薬判断を扱いません。体調の急変時は医療機関や119番などへ相談し、災害時は自治体の公式情報を確認してください。

冒頭の要点

  • 常用薬そのものと同じくらい、「何を、どう使っているか」が分かる情報を備えます。
  • 薬の予備量や保管方法は一律ではありません。主治医・薬剤師へ、平時のうちに相談しましょう。
  • 本人が説明できない場合も考え、家族で連絡先と情報の保管場所を共有します。

今日やること

まず5分だけ、家族1人分を確認してみませんか。

今日のミニ点検 いつもの薬、お薬手帳、主治医・薬局の連絡先を一か所に集めます。薬の名称や使い方が最新かを見て、次の受診時に「災害時の予備と保管方法を相談する」とメモしましょう。

この記事で分かること

災害で通院や薬の受け取りが難しくなっても、医療者へ必要な情報を伝えやすくするための平時の準備をまとめます。薬を増減したり中止したりする判断は扱いません。

まず、薬と医療情報を一覧にする

厚生労働省は、お薬手帳や薬剤情報を、医師・薬剤師との情報共有に役立てる仕組みを案内しています。紙のお薬手帳を使っている人も、電子版を使っている人も、内容が最新か確認しましょう。

一覧には、必要に応じて次を含めます。

  • 本人の氏名、生年月日
  • 病名や治療上の注意点
  • 薬の名称、用法・用量
  • 薬や食べ物のアレルギー、副作用歴
  • 主治医、医療機関、かかりつけ薬局の名称と連絡先
  • 使用している医療機器や消耗品
  • 緊急時に連絡する家族

個人情報を含むため、誰が持つか、どこまで共有するかは本人の同意をもとに決めます。スマートフォンに保存する場合は、ロック中に家族や医療者がどう確認するかも話し合っておきましょう。

主治医・薬剤師へ「災害時の備え方」を相談する

「何日分あれば十分」と、すべての薬に共通する答えはありません。処方できる量、使用期限、保管温度、管理上の注意は薬や治療内容によって異なります。

次の受診や薬局で、こんなふうに聞いてみてください。

  • 災害に備え、どの程度の予備を持てるか
  • 普段の分と予備をどう入れ替え、期限を管理するか
  • 高温、低温、湿気、光を避ける必要があるか
  • 停電時に保管方法をどうするか
  • 薬を受け取れない、食事を取れない、体調が変わった場合の連絡先
  • 注射器や測定器など、薬以外に必要なものは何か

自己判断で薬を減らす、中止する、家族の薬を使う、別の市販薬で代用することは避けます。持病や治療中の人が市販薬を選ぶ場合も、PMDAは薬剤師等への相談を案内しています。

家族1人分の確認メモ

次の表は、受診や薬局へ持っていく相談メモです。薬の量や使い方を、この表だけで決めるものではありません。処方内容は手帳や薬剤情報提供文書から確認し、分からないところは空欄のまま相談しましょう。

確認項目 記入すること 未確認なら相談する相手
薬と治療の情報 最新のお薬手帳の保管先:__/確認した日:__ 主治医・薬剤師
予備と期限 相談して決めた準備量:__/期限の確認方法:__ 主治医・薬剤師
保管と停電 薬ごとの条件:__/停電した場合の相談先:__ 薬剤師・機器事業者
連絡先 医療機関:__/薬局:__/家族:__ 各窓口
情報を共有する相手 本人と相談して決めた相手:__/保管場所:__ 本人・支援者
次に質問すること まだ確認できていないこと:__ 内容に応じた医療者

「普段持つ・家に置く・持ち出す」を分けて考える

一か所だけにまとめると、その場所へ行けないときに困ります。一方、薬を勝手に小分けしたり、表示のない容器へ移したりすると、識別や品質管理が難しくなることがあります。

厚生労省委託の糖尿病領域のマニュアルは、保管環境を守る分散保管と、医療情報のコピーを備えることを案内しています。これは全ての薬の保管方法を定めたものではありません。薬ごとの扱いを医師・薬剤師へ確認したうえで、次の3場面を考えます。

  1. 普段の外出:必要な薬と、薬の情報を確認できるもの
  2. 自宅で過ごす:期限と保管条件を守った予備、医療機器の電源や消耗品
  3. 避難する:すぐ持ち出せる薬、情報、連絡先

家族それぞれの薬は、取り違えないよう分けて管理します。子どもの薬は、年齢・体重・用量が変わったときに古い情報を残さないよう注意しましょう。

紙と電子、両方の弱点を補う

厚生労働省は、電子版お薬手帳や、災害時に薬剤情報等を確認する仕組みを案内しています。ただし、本人同意、システムの適用状況、端末、電源、通信などの条件があります。

そこで、どちらか一方だけに頼らない準備が現実的です。

  • 紙のお薬手帳や最新ページのコピーを持つ
  • 電子版を使う場合は、平時にログイン・表示方法を確認する
  • 家族が保管場所と確認方法を知っている
  • 更新日を書き、処方変更後に古いコピーを差し替える

マイナンバーカード等を持ち出せなかった場合でも利用できる災害時の仕組みはありますが、「必ず、どこでも情報を見られる」とは限りません。手元の情報も整えておきましょう。

温度管理や電源が必要なら、個別の計画を作る

冷所保存が必要な薬、注射薬、酸素濃縮器などの医療機器は、一般の持ち出し袋だけでは対応できないことがあります。

  • 薬の添付文書や薬剤師の説明で保管条件を確認する
  • 停電時に使える電源、連絡先、避難先を医療機関・自治体へ確認する
  • 保冷剤へ直接当ててよいかなど、自己判断しない
  • 機器の型式、事業者、連絡先、必要な消耗品を記録する

具体的な方法は製品や治療によって違います。医療機関、薬局、機器事業者、お住まいの自治体へ確認してください。

家族で共有する範囲を決める

「誰の薬が、どこにあるか」「本人が説明できないとき、誰が情報を示すか」を家族で決めます。

チェックするときは、次の問いが役立ちます。

  • お薬手帳や一覧は最新ですか
  • 家族ごとの薬を見分けられますか
  • 主治医・薬局の連絡先が分かりますか
  • 期限と保管条件を確認しましたか
  • 停電や避難時に特別な対応が必要ですか
  • 本人が説明できないときの共有相手を決めましたか
  • 個人情報が不要に見える状態になっていませんか

処方が変わったときや、家庭の防災用品を見直す日に、一緒に更新すると続けやすくなります。

地域・家族に合わせて確認すること

自治体によって、要配慮者への支援、個別避難計画、福祉避難所、災害時の医療相談窓口は異なります。名称が同じでも対象や利用条件が違うことがあるため、市区町村の公式サイトや担当窓口で確認してください。

特に次の家庭は、平時の個別相談が大切です。

  • 乳幼児や子どもが継続して薬を使っている
  • 高齢者が複数の薬を使っている
  • 注射、酸素、吸引、透析など継続的な医療が必要
  • 薬の自己管理や意思表示に支援が必要
  • 妊娠中・授乳中、またはアレルギーがある

注意すること

  • この記事だけで薬の増減、中止、代替を判断しないでください。
  • 使用期限を過ぎた薬や、保管状態が分からない薬を自己判断で使わないでください。
  • 処方薬を家族で共用しないでください。
  • 体調が急に悪化したときは、防災用品の点検より医療相談を優先してください。

公的情報の確認先

よくある質問

薬は何日分備えればよいですか?

薬や治療、処方・保管条件によって異なります。固定の日数を自己判断せず、主治医や薬剤師へ「災害時の予備をどう準備するか」と相談してください。

お薬手帳はスマホだけで大丈夫ですか?

電子版は便利ですが、電池切れ、端末故障、通信状況なども考えられます。紙の手帳や最新情報のコピーなど、別の確認方法も用意すると安心です。

薬の名前を忘れても、災害時に調べてもらえますか?

本人の同意の下で薬剤情報等を確認できる災害時の仕組みがあります。ただし、適用状況や利用環境などの条件があるため、手元のお薬手帳や一覧も備えてください。

まとめ

  • 薬と一緒に、最新のお薬手帳、連絡先、保管条件を整えます。
  • 予備量や停電時の対応は、薬ごとに主治医・薬剤師へ相談します。
  • 本人だけに情報を集めず、同意とプライバシーに配慮して家族で共有します。

まずは今日、家族1人分のお薬手帳を開いて、最新の処方と連絡先を確認してみましょう。

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出典

公開・更新情報

  • 初回公開日:2026年10月15日。
  • 最終更新日:2026年10月15日(公開前再確認)。
  • 公的情報の最終確認日:2026-10-10
  • 更新内容:初稿作成
  • 著者・制作主体:暮らしの防災手帖 編集部
  • ファクトチェック担当:別担当のAIによる今回版の原典照合済み(専門家監修ではありません)

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